こんにちは。土木女子ひろろです。
正直なところまだまだこの業界に女性は少ないんだなって感じました。
今回は異種業からの土木の世界に飛び込んでみて実際の経験から、感じたこと、楽しいこと、つらいこと等お伝えできたらなって思ってます。
土木に関心がありながらも、飛び込むには勇気がいるって方も多いと思います。
そんな方に少しでも役立てたらいいなって思っています。

自分としては、チャレンジした価値があったと思います。

1,土木会社ってどんな仕事をするの?
まずはここから気になる方もいるかもしれません。
土木事業(どぼくじぎょう、英語: civil engineering)とは、建設事業のうち、建築事業以外の事業の呼称。 Wikipediaより引用
つまり、建物以外なので、橋、道路、河川、ダム、トンネル、上下水道等々、幅広い分野にまたがる仕事を総称して土木業というわけですね。
実際、幅広すぎて、この内容をすべてをカバーするというのは相当な技術者と、経験が必要ですよね。
なので、何か月もかかる大きな事業は、大きな会社がまとめて仕事を取って、それぞれの得意分野の会社に仕事を割り振っておこなわれていきます。
もしもあなたの住んでいる街で道路、橋など公共工事が行われているなら、必ず人の目につくところに、どの会社がおおもとになって仕事をしていて、どんな会社が協力して仕事をしているのか、掲示版があります。このことは、国や県から依頼されて仕事をしている会社には必ず義務付けられています。
なので、ちょっと足を止めてみてみると、自分の知っている会社が実はその工事に参加していたということもあるかも。
私もこの仕事を始めるまでは、気にも留めていませんでした(笑)
工事は大規模であればあるほど、また期間が長くなれば長くなるほど、安全と品質の高度な基準が求められるため、その工事はきちんと組織され厳しい指導と監督のもとに行われていきます。
つまり、土木施工管理技士という資格者の監督のもとに工事が進められていきます。
お聞きになったことがあるでしょうか?
土木施工管理技士には1級と2級があり、その資格によってどこまでの仕事が任されるかということが決まっています。
この有資格者が多いほど、その会社は安全のうちに高品質のものを作るうえでの責任者がいいるという信頼になりますので、その会社は大きな事業を任されるわけですね。
これが先ほど話したおおもとの会社(元請け会社)になるわけです。
一番いいのはこの会社が任された仕事を全部こなすことですが、なかなかそうはいきません。
先ほど話した道路工事一つとっても、何もないところに道を作っていくのには、まず今の地形から完成形を割り出すために測量が必要になってきます。そのあとに、地面の掘削、土の運搬、、水道管の新設等あればその工事が、道路の舗装工事も必要ですし、傾斜ができるようであれば、崩れないようにその法面の吹き付け工事が必要になってくるわけです。
測量、掘削、運搬、水道工事、舗装、吹き付け…このそれぞれにはその専門職の資格が存在しています。大きな工事ほど、必要な技術を持った有資格者と技術者のいる会社に任せたほうが、品質的にも、工事としてもスムーズですよね。これがおおもとの会社の下で任された仕事だけ行う会社(下請け会社)となります。
そんなに工事自体が大きくなければその会社だけでも行えますし、有資格者と技術者をたくさん有していて、幅広くいろんな工事をしている会社ももちろんあります。
なので、土木会社といっても、実際その会社の規模であったり、何をメインに仕事を取っているかで働き始めたときに詰めるスキルも変わってくる可能性があるということは覚えておいてもいいかもしれません。

ちなみに私は何もわからず就職してしましましたが、幸いなことに元請け会社だったので、いろんな工事に携わらせていただき、いろんな経験を積ませていただきました。

2,女性土木作業員の割合
国土交通省が実施した令和6年度建設産業における女性定着促進に関する実態等調査結果によると女性として活躍している技能者は全体の6%
思ったよりも少ないですね。
この調査結果を見てみると、企業側としても女性の参入のためにいろいろと改善や努力をしてくれていることがわかりますが、やはり現実は難しいんでしょうね。
実際のところどんな利点と問題があったか挙げていきたいと思います。
3,実際に女性が土木の現場で直面する問題
①トイレ問題
これ同業者の中でも挙げる方多いですよね。
でも、私が実際に働いてみて、これはそんなに大きな問題にはならないかなと思いました。
実際この問題を左右するのは会社の規模や理解に大きく左右されると思います。
なぜなら、先ほど述べたように、元請け会社であれば、それだけ大勢の人を動かして仕事をしていくことになります。私のように一人の土木作業員のためにわざわざ女子トイレを設置してくれる、ものすごく理解がある会社もあると思いますが、下請け会社の中にはいろんな業種の方が仕事で来られるわけですよね。
例えば安全を見守ってくれる警備員の方には、女性の方も多く見受けられます。
なので、大きな現場には、たいてい女子トイレがあるイメージですね。
また、そんなに大きな現場でなくても、移動式のトイレもありますし、現場にトイレがなくても、たいていは休憩時間もあるので、その間にコンビニや、どこか公衆トイレに行くことができます。
山林や、田舎で近所にトイレがないという場合もありますので、その場合には対策が必要ですが。
私は体調不良でおなかが痛いとか、生理とか、そういう時は本当にトイレが必要なので、あらかじめ上司の人に恥を捨てて理解を求めるのも大切だと思います。
たいていは会社の方も理解があり、優しいので、トイレのある現場にしてくださったり、無理のない仕事を割り振ってくれました。
女性には毎月の問題があるので、そういう面では女性は男性とは違い毎ハンデがあるので、理解のある会社を選ばないとつらいかもしれません。

生理の時は、夜用、痛み止めで乗り越えてますが、いくらそのつらさを訴えても、実際に経験していない男性には絶対わかりません! 無神経な発言に腹が立つこともありますが、日頃助けてくれてる感謝を忘れず、大人の対応で頑張りましょう。
②体力面できつい
これは実際に働いてみてそう思いました。作業員としては、力の面では絶対に男性には勝てません。使う道具が色々ありますが、一つ一つが本当に重い。
地面を掘るのも、材料運ぶのも最初はつらかったですね。
私は一番つらかったのが、ダンプに物を持ち上げて載せることでした。ダンプの荷台がただでさえ自分の肩の辺りになるのでそこに20kg、30kgあげるのは後半は力がついて頑張れましたが、きつかった。。
重機のオペレータなら体力は使いませんが、技術と経験が必要なので、うまくできなければ、その工事に支障が出ますし、なかなか上手くなるまでは精神面できついという別の問題はあるかもしれませんね。
とにかく体力はいる仕事です。でも、会社の方の理解があれば、その能力に合わせて仕事を割り振ってくれますし、必要な助けもあるものです。
私も最初は迷惑をかけてしまうことが多く、きついし、やめたほうがいいのかな。と悩むことも多かったですが、モノづくりに携われる喜びや周りの方のフォローもあり、続けることができました。
女性ならではの観点でできることや、気づくこと、そして、仕事の内容がだんだんわかってくると自分なりにできることが増えていき、楽しめると思います。
女性という立場を卑下することなく、また、甘えることなく、できることは何でも頑張るという意気があれば必然と持ち場ができてくると思いました。

ダンプの運転は楽なんですが、時々訪れる、一人でのダンプのあおりをあげるのは結構大変。
軽々とこなす男性にはわからない悩みなので、ダンプの運転だからと安心せずに、その問題が工程の中にないかどうか必ずチェックしましょう。
③ハラスメント問題
これは職場の環境に左右されるかもしれませんね。でも、自社だけでなく、いろんな会社と関わればそれだけいろんな人ともかかわるわけで、すべての人がいい人とは限りませんし、嫌なことも一定数あるわけです。
男性が多い中で働く女性ならではの問題もあると思いますし、男性だって同じように男性が多いならではの問題と闘っていると思います。
耐えられないほどの問題は早めに信頼できる上司に協力を求める必要がありますが、些細なことは冗談として笑って流す、あるいは必要最低限にしかかかわらない、くらいの強さを身に着けることも大切かも知れません。
個人の感想としては、ただでさえ女性一人だったりすると浮いてしまうので、日頃からよい人間関係を築き、信頼できる人を増やすのもいいのかなと思います。
④日焼け問題
これはもう仕方ないです(笑)
でも、必要な対策をすることで、私は土木作業員としては白いほうだったと思います。
友達にも、炎天下の中で作業してる割に白いねなんてほめてもらいました(笑)
朝どれだけ顔にしっかり塗っても、午前の1,2時間働けば汗がだらだら流れて落ちてしまいます。
汗に埃や砂がくっついて最悪、と思う時期もありましたが、一番よかったのは、ビオレのメイク落としと色つきの顔用日焼け止め(SPF50++++)とアイブロウペンシルがあれば、休憩時間に3分くらいで顔を作り直すという手段でした。
あとは、日焼け防止のマスクもよかったですよ。
髪結んで、ヘルメットしてマスクして、腕はアームカバー。
おかげで土木焼けとは何とか無縁でした、が、、
仕事に来てるわけですから、現場の状況によっては、そんな塗りなおす時間ない時もありますし、そんなことばかり気にしてると、これだから女性はなんてイメージ悪くなったりするので、仕事や仲間のこと優先して完全な対策できないことも多々ありました。
なので、作業員として働きたい場合は、ある程度環境ゆえに覚悟するのは大切だと思います。
4,女性ならではの利点
女性脳、男性脳なんて言いますが、ほんとうに女性ならではできることってあるんだなって感じました。
実際に働いてみて思ったのが、土木工事ってチームワークなので、みんなで協力しないと成り立たないんですが、そんな作業の中ではたいてい、お親方としてみんなに指示する人がいるんですが、チームワークがうまくいってる現場では、視野が広くて細やかに配慮ができる人だったり、なおかつ信頼されてる人が親方な現場が多い気がしました。
よく男性脳の人は一つのことに集中しがち、なんていいますが、もし現場でそういう作業員が多いとしたら、いつも次のこと考えて作業を進めたい親方としてはどうでしょうか。
なかなか上手くコミュニケーションが取れなくて、いちいち指示したり、フォローが増えるかもしれません。でも、女性は割といろんなことを幅広く行える人が多いので、気づくことも多く、作業量は多くないにしても、作業員の中にいてくれると助かかると親方に言ってもらったことがあります。
あとは、ちょっとしたものを運ぶとか、抑えるとか、角度を見るとか、距離を測るとか、すぐ気づいて動けたり、重機でも周りに合わせて作業できるとか、力の面はできないことがあっても、いろいろできることがあるので、大事にしてもらえます。
あとは、大きな現場では女性がいるからということで、ほかの会社の方が、花があっていいねなんてお世辞で言ってくれることもあります。会社同士の摩擦ももしかしたら減るかもしれませんね(笑)
5、女性が活躍するためにお勧めの資格
-1、作業員として
①車両系建設機械
この資格はあると幅が広がると思いますし、できることが格段に多くなると思います。
簡単に言うと、油圧ショベル等を運転できる資格です。重機の重さが、3t未満までしか乗れない特別教育と制限なしの技能講習という二つ種類がありますが、できれば制限なしのほうが乗る機械を選ばないのでお勧めです。
ただ値段と講習期間にがかなり差があるので、会社が補助金を出してくれるかとか、自分がどの程度本気で取り組みたいのか考える必要があります。
・三トン未満 一般に17,000円くらい
・制限なしの技能講習の場合 一般に10万5,000円くらい
②移動式小型クレーン+玉掛け
これもよく聞く資格名かもしれません。小型移動式クレーンというのはトラックの頭に棒がついていて、その棒が伸、上げ下ろしの操作をして、必要な場所に物を運搬できるそんな資格です。
玉掛というのは、クレーンで物を吊るときに、その物に対して適切な吊り具をかける、そんな資格です。
土木の現場では重いものの運搬が多いので、作業する人には必須の資格でしょう。
③運転免許
これは穴になりやすいんですが、自分の所持している免許がどのサイズまで運転できるか確認が必要です。土木の現場でよく使われるダンプは1トン、2トン、3トン…と運べる量によって実は免許が変わってきたりします。今は区分が細かいので、2トンは運転できても、3トンはダメなんてことも。
3トン、4トンもよく使いますので、要確認です。

私も結局現場で働くうちに必要が生じて、最終的に大型自動車免許まで取得しました。
出費は痛かったですが、その分活躍できる幅が広がってうれしいかったです。
ー2 その他
①土木施工管理技士
これも土木業界ではメジャーな資格ですね。簡単に言うと作業の工程を円滑に進めるうえでの監督の資格です。資材の確保、人員の人工の算出、安全管理や、品質管理、書類提出など工事の最初から最後までの責任者ともいえます。
先を見て行動する視野の広さや、円滑なコミュニケーションが大切な仕事なので、最近では女性も増えてきました。
専門の学校を出ていなくても、実務経験を積めば2級の資格試験を受けられます。

②施工管理アシスタント
これは特別な資格ではありませんが、上記の施工管理業務のアシスタントをする作業です。
書類作成、社新整理、データ入力等なかなか細かい作業です。
育児があったりしてすべての責任を担うのは難しい、外仕事はずっとはきつい、でもこの業界で働きたい方にはお勧めです。
最近この分野で活躍する女性を見かけます。
6,まとめ
今日はこの業界で働く女性ならではの問題や、感想を書いてみました。
いかがだったでしょうか。
なかなか、この業界で働く女性はまだまだ珍しいのかもしれませんが、決してできない仕事ではありません。とてもやりがいがあります。
最近は安全面がとても厳しいので、なんでも資格が必要になってきましたが、資格はあって損にさることはありません。資格試験で学んだことを仕事で生かせるって楽しいですよ!
是非皆さんも、勇気を出して飛び込んでみてくださいね。
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